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Reform in Kozukue

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「オープンキッチンをつくりたい」

 

鉄筋コンクリート壁式造と呼ばれる形式の建物で、床はウールのカーペット、壁・天井はビニルクロスを貼っています。リフォーム工事費は設計料を含めて約760万円。工事期間は2ヶ月ほど、工事に入る前の打ち合わせには約3ヶ月ほどの期間をかけて行いました。

 

photo by Yuki Kato

 

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当初のご要望では奥に見えているキッチンスペースと手前側のリビングスペースとの間の壁を撤去して、オープンキッチンを設けたい、というものでした。しかし壁式造の場合、間仕切り壁もコンクリートでつくられているため、撤去することはできません。

 

このお部屋の場合、冷蔵庫置き場になっていた場所の壁だけは撤去できたため、可能な範囲で壁面の開口を広げ、そこにお子さんたちと一緒に料理をつくれるようなバックカウンターを設置するのはどうですか、と提案をしました。キッチンを移動して設置することも考えられましたが、配管スペースの関係で床上げを伴うこともあり、バックカウンターが現実的と判断しました。

 

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バックカウンターは一体成形した人造大理石で製作し、壁にはめ込むことが出来るように切り欠きを入れてあります。設置されてしまうと壁に飲み込まれているような感じに見えてきます。

 

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廊下からリビングへ入る扉は開き戸から引戸に変更し、壁の中にしまい込めるように工夫をしました。建具を引き込んでしまえば、バックカウンターを中心にキッチンとリビングをぐるぐると回遊することができます。

 

この引込み戸の仕上げはソフトスエードという塗料で仕上げました。スエードの表情のようなざらついた雰囲気の塗料です。

 

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床や天井はコンクリートに直仕上げの仕様の建物で、床材については遮音を考慮してカーペットかクッションフロア以外の仕上げは認められていませんでした。

 

新築当初から比べると、材料の種類や工法、遮音に関する考え方も変化しています。本来であれば管理規約もそれに応じて更新し、現行の材料などを居住者が使用できるようにするのが望ましいあり方だと思います。(乾式二重床にしてフローリングを張るなどは、高さ方向の問題をクリアできれば積極的に採用しても良いと思います)

 

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3階建ての2階部分のお部屋で、上下階の方への生活音のケアだけでなく、ピアノをひく予定がありましたので、床材の下と天井の下地に遮音マットを施工しています。一部には遮音カーペットを敷きました。今回の計画では採用していませんが、音に関しては窓からも伝わってきますので、二重サッシにすることも有効です。

 

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