コンセプトは「マンションを木の家にする」です。
床は3cmの厚みのある杉の無垢フローリングを張り、壁には室内の湿度を調節する珪藻土を施工。天井はビニルクロスで仕上げました。リフォーム工事費は設計料を含めて約1,150万円。工事期間は2ヶ月半ほど、工事に入る前の打ち合わせには約3ヶ月ほどの期間をかけて行いました。
photo by Yuki Kato
鉄筋コンクリート壁式造という構造形式の建物で、たいていの間仕切り壁がコンクリートで出来ているため、間取りの変更は難しいですが、可能な範囲で使いやすく間取りを変更しています。
和室は和室としてつくり直しましたが、今後畳の部分を床上げをして「小上がり」と「下部収納」を設ける構想があるため、押入は浮かしています。押入左側のスペースは仏間です。
ダイニングスペース
奥に見える本棚は引っ越しされる前からお持ちの家具でして、今回の計画で壁面いっぱいの収納として据え付けました。シナ合板で製作されていましたので、周りの壁や棚もシナ合板で統一しています。
「今までの間取りより1部屋増やしたい」というご要望に応え、2部屋だった部分に3部屋分のスペースを確保しました。上と下の写真を見比べると、手前側に壁が移動している事が分かると思います。左手に見える扉は収納部分でして、既存のものをそのまま利用しています。
法規の上では、部屋数を増やした訳ではなく、一つの部屋を大きくし、移動可能な家具で間仕切りをしています。
以前は納戸にアクセスする出入り口が廊下側にありましたが、シューズクローゼットと納戸を合わせて計画し、廊下には本棚を設けました。
シューズクローゼットと納戸です。以前は下足入れが置かれていましたが、既存家具は撤去し、背面の壁に穴をあけ、出入り口を設けています。玄関近くに納戸があると、玄関がすっきりし、かつ便利です。