那須塩原にあるホテルの客室の改修事例です。こちらは1315室。
築25年程の建物で、今まで壁や天井のクロス交換の他、カーテンやベッドカバーなどのリネン類の更新しかしてこなかったため、内装や設備が老朽化・陳腐化していました。今回は水回りの交換をメインにスケルトンリフォームを行いました。
Photo by Yuki Kato
壁の中間や柱のコーナーなどに木材を設置し、傷や汚れがつきやすい角のケアをすると共に、部分的にクロスを貼り替えられるようにしています。
水回りはコンパクトにし、3点ユニット(浴槽・トイレ・洗面器がセットになっているもの)を撤去し、シャワーブースを採用しています。そのことで「浴室」と「トイレ・洗面」が分離でき、小さいながらも快適な水回りとなっています。
シャワーブースに踏み切れた理由の一つとしては、ホテルで運営している温泉が近くにいくつかあり、宿泊客はその温泉を利用できるため、客室内の小さな浴槽はほとんど使われていない現状があったためです。また3点ユニットで挙がる不満点として、お風呂を使用するとトイレ・洗面エリアも蒸気で満ちてしまうことや、設備の同時使用ができないこと、あるいはシャワーカーテンが濡れた際の不快さなどがありますが、そういった問題も今回の改修工事で解消することができました。
下の写真からは1316室です。(ツインルームにソファベッドを置き、やや強引にトリプル使いにしてありました)
こちらの部屋では、靴を脱いで上がるようにしています。
温泉がホテルの売りの一つでして、客室に用意されている室内着は浴衣、足元は五本指ソックス、それに外部用のスリッパをつっかけて、行き来する旅館スタイルです。ですので、気分的には靴下のままや、裸足になりたいところですが、カーペットではなかなか裸足では歩きたくない、というのが一般的な心理だと思います。そこで、全体的に床上げをし、表面に凹凸の加工してあるフローリング材を貼り、気持ち良く歩けるようにしました。